活動報告

情勢学習

最後通牒と「新しい道」-2019年12月

11月は本当に朝米関係構築において多様なアプローチがあったと思われる。しかし朝鮮の政策はブレない。

金正恩国務委員長は、2019年の4月に施政演説をしたのだが、そこで明確に2019年末を最後にアメリカとの関係を決着づけると述べた。アメリカが計算法を改め関係改善をするのか、あるいは朝鮮が「新しい道」を行くのか。

この「新しい道」というものにはとても興味があるが、おそらく朝米関係が正常化されるための前提がアメリカ側の傲慢な態度の転換から始まるのが、朝鮮民族にとっては望ましいものであろうことは間違いない。

2019年末を控えた11月、朝鮮は対米攻勢に一気に乗り出した。(すでにミサイルや砲撃訓練などはトランプから言わせると「当然のこと」となった)

日本が言う「瀬戸際外交」のために国費を浪費しながら軍事訓練に励むという意味ではない。
朝鮮側は11月に朝鮮外務省のキムゲグァン顧問、同じく外務省キムミョンギル巡回大使、朝鮮アジア太平洋平和委員会キムヨンチョル委員長の談話を連続的に発表し、アメリカに答えを迫った。

トランプ大統領がTwitterを通じて首脳会談をほのめかしたことは理解する。しかし、この「時間稼ぎのような余興」を楽しむ気がない。時はすでに、アメリカが対朝鮮政策を転換するか、否かの二択を迫っているのだと、強調した。(キムゲグァン顧問)

一方、キムミョンギル巡回大使は、アメリカ側がスウェーデンとの協議を詰めながら実務協議の準備を進めようとする動きを見ながら、これまで会談場所をスウェーデンが準備してくれたことに関しては感謝すると述べながら、すでに問題は第三国を中継してやる段階ではない。やるなら直接だ。連絡通路の問題や仲介者の問題ではない。スウェーデンは出しゃばらずともよい。さあ、アメリカどう出る?と伝えている。

そして、とどめにキムヨンチョル委員長が結論を与えた。「アメリカは対朝鮮敵視政策を撤回する前までは非核化協議については夢にも思うな」と。現在、アメリカが延期したという米・南の連合空中訓練は「善意」や「配慮」などではない。これから手を携えていこうとするもの同士、当たり前の措置であるし、それについて見返りを求めるなど毛頭ない。すでにこちら(朝鮮側)は余りあるものを与えている、と。

このような朝鮮側の反応は11月17日トランプ大統領が国務委員長に言及しながら「すぐに会おう!(see you soon!)」と、Twitterにつぶやいたことに端を発している。

朝鮮側の主張として一致しているのは、トランプ大統領の手柄のために朝米関係があるのではないということ。譲歩はなさそうである。なぜならばすべての談話に共通項として浮かび上がるのは、「非核化の議論の前提」だからである。それはすなわち、アメリカの対朝鮮敵視政策の転換である。これまで、朝鮮がアメリカにたいして「計算法を改めよ」と伝えてきたのだが、どうやらアメリカの方々にはよく伝わらなかったらしい。もう教えてやるよ。敵視政策、やめなさい。そこから議論しましょうとでもいうように、といった感覚である。

さて、来年アメリカでは大統領選挙が催される。対話のための対話、この手柄をもって選挙に臨むことがトランプ大統領には必要かもしれないが、朝鮮には必要ない。
朝鮮には急ぐ理由がない。アメリカがNO!といえば、「新しい道」を行くのみである。
現在チェソニ第一副相がロシアにて、具体的な協議を進めているように、年末まで結論が出ねば、朝鮮は自力更生のスローガンのもと、自国の力を駆使しつつロシアや中国、ひいてはインドなどと手を結びながら、新しい国際秩序を生み出していこうとする遠大なプランを提案する可能性がある。
ロシアや中国との摩擦、アメリカ帝国主義が国際社会で猛威を振るうために摩擦は避けられない。しかし、行き過ぎるとすべてを失う可能性もあるのだ。この闘い、年末までどうなるか、見届けていこう。
 

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