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【雑誌イオ】第7回「Kyc-CUP over30中央サッカー大会」

第7回Kyc中央サッカー大会

30代の意地とプライド
ぶつけ合う

第7回「Kyc-CUP over30中央サッカー大会」(同実行委員会)が10月11、12の両日、御殿場高原時之栖スポーツセンター裾野グラウンド(静岡県)で行われ、青商会世代(30代)で構成された10チーム、選手とその家族ら約230人が参加。大会は意地とプライドがぶつかり合う熱戦が繰り広げられるとともに、会員同士の交流の場になった。

3つのグループに分かれての予選。開会式での抽選の結果、奇しくも昨年の第6回大会とまったく同じ組み合わせになったグループAに注目が集まった。昨年大会覇者で今大会も優勝候補筆頭のKyc愛知、前回大会では豊富な運動量で愛知を苦しめた神奈川コリアナFC、学生時代の強豪であるKyc埼玉4・6。
 下馬評では「愛知有利」だったが、番狂わせが起こる。グループリーグ初戦、愛知対神奈川は、開始数分のプレーで愛知選手が退場、数的有利を活かし効果的なカウンターから得点を重ねた神奈川が愛知を4対1で下す。が、続く2戦目では昨年の雪辱に燃える埼玉の気迫に圧倒される。埼玉は中盤を掌握するとゴールを量産し4対1で完勝すると、決勝進出の望みをかけた愛知の怒涛の攻撃を、必死のディフェンスで耐えスコアレスドローに持ち込み、激戦のグループAを制した。
 決勝トーナメントには、各グループの1位、埼玉、東北Kyc(グループB)、岡山ピンナラFC(グループC)、そしてワイルドカードとしてグループC2位の東京第5青商会サッカー部が駒を進めた。
 抽選の結果、準決勝第1試合はグループCでしのぎを削ったチーム同士の対決となった。予選で苦杯を喫した第5が岡山に挑みかかった試合は、攻守の展開が早い好ゲームとなった。初日の疲れを感じさせないハードワークから、両チームとも幾度となくチャンスを作るも互いに譲らずPK戦にもつれ込んだ試合は、しっかりとゴールネットを揺らした第5が予選の借りを返す形となった。
 一方、ゆっくりとしたボール回しで始まった埼玉対東北の試合は、序盤、東北が好機をつかむも決められず、次第に埼玉が相手陣内でのプレー時間を増やす。が、埼玉も決定機を物にできず、PK戦に突入しかけた試合終了直前、一瞬の隙をついた埼玉が、ゴール前に走りこんだFWに左サイドから低いボールを合わせ、劇的なゴールで勝利を収めた。
 リベンジ劇が続いた大会の決勝は互角の戦いが予想されたが、意外にも第5の強さが際立つ試合となった。準決勝の勢いそのままに立て続けに埼玉ゴールを脅かした第5は、前半10分過ぎ、それまで必死に耐えていた埼玉のディフェンスをこじ開け待望の得点を挙げる。埼玉も逆転のチャンスをうかがうが、後半に不運なオウンゴールを献上して集中力を切らすと、その後ダメ押しとなる3失点目を喫し、第5が見事初の栄冠に輝いた。
 出場から4年目で初優勝を飾った第5のキャプテンを務める鄭仁洙さん(36)は、「念願の初優勝でうれしいの一言に尽きる。準決勝では岡山にリベンジもできたし、強いと言われた埼玉にも勝てた。30代だから体力も落ちているけど、みんなで声を出し合って雰囲気を上げて試合に臨んだ。毎週行ってきた練習のたまもの」と、優勝の喜びを語った。
 一方、決勝で涙を呑んだ埼玉の金オクセさん(37、中部地域会長)は、すでに来年のリベンジに燃えながらも、「サッカーをきっかけに30代前半の若い人たちも、青商会に顔を出すようになった。これが、次の世代へのつながりになるし、同時に全国の会員たちにもつながっていく。こういうつながりが青商会の強みだ」と大会の意義を口にした。

文・写真:鄭茂憲

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