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【KOREAファイル】2010.2.25配信

国連人種差別撤廃委員ら、朝鮮学校無償化除外に疑念
 共同通信は25日、高校無償化法案の対象から朝鮮学校を外そうとする動きに対して国連で疑念が出ていることについて以下のように伝えた。  【ジュネーブ共同】24日、ジュネーブの国連施設で9年ぶりに開かれた人種差別撤廃委員会の対日審査会合で、朝鮮学校を高校授業料無償化法案の対象外にする動きに複数の委員が疑念を表明、日本政府に説明を求めた。

 アフトノモフ委員(ロシア)は同法案について「(教育担当とは)別の大臣が、北朝鮮との外交関係を理由に朝鮮学校を除外すべきだと主張しているようだが、そのような差別的な措置が法律に盛り込まれるのか」とただした。

 またカリツァイ委員(グアテマラ)も同法案を歓迎した上で、朝鮮学校の除外に「懸念」を表明。日本の一部の新聞が社説で「子どもの教育の権利侵害だ」と批判したことも取り上げた。

 対日審査の取りまとめ役であるソーンベリー委員(英国)は直接的な言及は避けながらも朝鮮学校などを含む「少数民族のための非公認の学校は、財政、税制面で公立学校に比べて著しく不利な立場にある」と指摘、政府の説明を求めた。

 政府代表団は25日の2日目会合で、口頭で答弁。委員会による「最終見解」は3月中旬に公表される予定。  一方、毎日新聞も25日付けで以下のように伝えた。  【ジュネーブ伊藤智永】国連の人種差別撤廃委員会(事務局・ジュネーブ)で24日、日本において人種差別撤廃条約がどの程度守られているかを審査する会合が、9年ぶりに開かれ、高校無償化法案をめぐり、拉致問題などを理由に、在日朝鮮人の子弟が通う朝鮮学校を、財政支援の対象から外そうとする動きが起きている問題などが取り上げられた。

 各国の専門家が2日間の日程で、アイヌ民族・在日外国人・被差別部落・琉球諸島など、日本における差別問題の実態や改善状況について、日本政府代表団に質疑を行い、3月12日に委員会としての見解を示す。

 24日は日本政府代表が、01年審査後の大きな改善として、アイヌ民族を先住民と認めた取り組みなどを報告。各国委員からは、日本が人種差別禁止法を制定しようとしないと指摘する意見が出た。(了)

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