2025年2月11日、九州・大分地域青商会第12次総会が行われた。
九州各地からはもちろん、全国各地からも参加者が集まり、その数およそ30名。
6年ぶりに開かれた総会では、文字通り6年間の活動が大々的に報告され、参加者たちはその業績に拍手喝采を送った。
今回の主役は誇らしげに拍手を浴びた。
権純祐・大分地域青商会前会長(以下、権純祐)は、大分で生まれ育ち、九州朝高を経て、朝鮮大学校経営学部へ進学。
卒業後は、地元に戻った。
権純祐が大分地域青商会に加入したのは、今から8年前。
何かをきっかけに青商会に加入しようと決心したのではない。
地元の青商会先輩たちに誘われ、食事に行き、その回数が増えるあいだに、いつの間にか青商会の会員になっていたとのことだ。
それゆえ加入当初は、青商会に対する考えはそれほど深くなく、自分のビジョンもはっきりしていなかった。
しかし、先輩たちと過ごす時間はとても楽しかった。
何よりもアットホームな雰囲気が居心地が良く、どんなことでも気軽に相談することができた。
大分地域は九州最大都市の福岡に比べて、同胞数が多いわけではなく、ウリハッキョも存在しない。
しかし、大分地域で朝鮮人のネットワークを作るにあたり、青商会という団体がいかに重要な位置を占めるのかを認識した。
転機が訪れたのは2019年1月。
先輩たちが青商会を引退していき、いよいよ自分たちの番がやってきた。
大分地域青商会の会長を受けたのは、権純祐だ。
会長職を引き受けたことは「必然的だった」と話す権純祐は、地元の先輩たちの想いを次世代までしっかりと継承させる覚悟で、より一層、青商会活動に燃えた。
会長に就任した2019年「ウリ民族フォーラム2019 in 九州」が行われた。
九州の各地域青商会が一体となり、1年間、準備に奔走した。
大分のことばかりではなく、フォーラムの準備も兼ねることで会長就任早々、苦い経験もしたという。
フォーラムの動員や財政集めに苦戦し、心が折れかけたこともあったが、「ALL九州ハナロ」を合言葉にフォーラムに向け汗を流す全九州青商会メンバーを前に、弱音を吐くことはなかった。
同胞数が多くなくハッキョもないといった同じ境遇の佐賀地域、南九州地域が必死になる姿に刺激を受け、「大分も負けるもんか」と歯を食いしばった。
フォーラムは大成功に終わり、権純祐自身もかけがえのない貴重なものを得た。
地元同胞社会の大切さを身にしみて感じた権純祐は「大分同胞社会を大事にせないけん」と同胞が集まるイベントを積極的に行ったりした。
権純祐は、地元で開催するチャリティーゴルフコンペ「ALL九州ミレカップ大分」に力を入れた。
ハッキョがない地域での開催ではあるが、しっかり結果を残し、福岡県下ウリハッキョに貢献し、そして、このチャリティーゴルフが、大分で同胞が集まる場所であることの位置付けを強調した。
簡単なことではなかった。
しかし彼は仲間とやり切った。
史上初の参加者100人超えを達成した。
権純祐は輝かしい実績を残し、6年間の会長職にピリオドを打った。
大分の伝統を受け継いだのは、リャン・ガンス会長。
やる気に満ち溢れている。
権純祐前会長がリャン・ガンス会長にお願いしたことはふたつ。
「ウリハッキョを守っていこうや」
「上の年代は俺がまとめるけん、下の年代はお前がまとめてくれ」
権純祐は大分地域青商会会長を退いても、自分ができることを引き続きやっていく覚悟だ。
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